露天風呂で疲れを癒す二人の美女
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「お風呂で死なない」ために守る7つのコト


一日の汗や汚れを落とし、疲れをとる癒しの空間である「お風呂」。そんなお風呂場が恐怖の「死」の空間へと変わる。そんな恐ろしいことがあるのでしょうか。

実は日本国内でのお風呂場での死亡事故件数は、交通事故で亡くなる人の数を上回っているのです。

その原因と、お風呂で死なない為に守るべき5つの守るべきことを見ていきましょう。



欧米のシャワー重視の洗体に比べ、日本ではたっぷりのお湯を張った湯船に浸かる「入浴」が中心になります。

たまった疲れを取り、心身ともに癒される「入浴」は、健康面でのメリットも指摘されています。

しかし、そんな快適な入浴も間違った入浴方法を取ってしまうと、お風呂場がとても怖い「死の空間」へと変貌してしまうこともあるのです。



「ホントは怖いバスルーム」にならない為の7か条


疲れがひどい時や睡眠導入剤服用時には入浴しない

入浴時に浴室でおぼれる事故も多いのです。
海やプールでなくて湯舟でおぼれる?と思われるかもしれませんが、疲れているときや睡眠薬、睡眠導入剤を飲んでいるときに湯舟につかると、気持ちよくてそのまま眠りに落ちてしまうことがあります。

眠りに就いたまま水の中に引き込まれてしまうと人は呼吸をすることが出来ません。
沈みかけたら気付くでしょう?と思いますが、お風呂でのうたた寝状態は意識がもうろうとして半分気絶しているようなものなので、気付かないものなのです。
水溜りに顔を突っ込んで溺死してしまう人もいるくらいなのですから、湯舟でおぼれてしまうことくらい想像できることでしょう。

眠い時は、「バスルームで入浴」よりも、軽くシャワーで汚れを落としてから、「ベッドルームで睡眠」を優先させてください。


お酒を飲んだらお風呂に入らない

お酒を飲んだ後の入浴は3つの理由で多変危険です。
その危険な理由として挙げられるのが、飲酒時におこる

  • 脱水症状
  • 血圧上昇
  • うたた寝

です。
3つ目の「うたた寝」に関しては、前述した「眠い時には入浴しない」に記載しています。

他には、アルコールの利尿作用と入浴時の多量の発汗による「脱水症状」、また温水による体温上昇とアルコールの影響による「血圧の上昇」。

これらの症状が一気に襲ってくるので、アルコールを飲んだ後は大変危険です。
よく酔い覚ましに入浴をすると良いという人がいますが、そうした行為で命を落としている人が多いのです。絶対にやめて下さい。

飲酒の後は十分に酔いを醒まし、水分をしっかりと取ってから入浴するようにしましょう。

湯船に入る前には必ず「かけ湯」

多くの人が利用する温泉や大浴場ではマナーとしての掛け湯はもちろんです。
他には冷えた脱衣所から熱いお湯に入ることによる急激な温度変化で起きる血圧の上昇を防止する目的もあります。

入浴前に掛け湯を行うか、先に体を洗ってから湯舟に入るようにしましょう。

足→下半身→腕→背中→胸となるべく心臓に遠い部位から温めていくと安心です。


食後すぐには入浴しない

食事を摂った後、1~2時間の人間の体は胃や腸の内容物を消化させるために血液を内臓に集中させています。そのため他の器官への血流が不足しています。

そのような状態で入浴すると、立ち眩みなどを起こす原因となります。

また、入浴で広がった血管に血流を促進させると、逆に消化のための血流が不足する事になるので、どちらにとってもいい事はありません。

食後、約2時間は、入浴を避けるようにしましょう。

入浴の前と後には、水分を!

お風呂に浸かっていると水の中に居るので、自分が汗をかいている事にはなかなか気付かないと思います。
しかし、約40℃のお湯に10分間、入浴していると人は約500㏄もの汗をかいているのです。
身体の中の水分は一定に保たれているので、そんなペットボトル一本分もの大量の水分を失うと血中の水分濃度を保てなくなり、血液は一気にドロドロ血へと変わります。

良くサウナや入浴後に体重を計って〇〇gやせた~なんて言っている人がいますが、これは脂肪が減少したのではなくて、単に体内の水分量が減ってきて脱水症状で倒れる直前の状態なのです。

入浴前には予防として、また入浴後には潤いケアとして、たっぷりの水分補給を忘れないでください。

湯船から急に立ち上がらない

湯船の中にいると人は水圧を受けています。水圧は何もスキューバーダイビングなどで数メートル以上潜る時だけに受けるものではありません。
水深数十センチの湯船の中でも人はかなりの水圧を受けています。

湯船から急に立ち上がる事で、水中で圧縮されたいた血管が一気に広がり血流がどっと下半身に流れ込みます。
すると脳に血液が行かなくなり、急性低血圧症を起こし、立ち眩みなどを起こすことがあるのです。ひどい場合には気絶し、転倒して頭をうつこともありますので気を付けましょう。

脱衣所を温めてヒートショックを防止

浴室と脱衣所の温度差にも注意しなければなりません。

日本のほとんどの家庭は、浴室までは暖房器具を設置していないのがほとんどです。

熱い風呂に浸かった時に血管は膨張し、血圧が下降している状態です。
この状態で、冷え切った脱衣所に行くと、血管が一気に収縮し、血圧が急上昇する事になります。

血圧の高い人や高齢者にとってこうした急激な血圧の変化は大変危険です。
【脳出血】、【脳梗塞】、【心筋梗塞】などの原因になっているのです。

近年はこうしたヒートショックでの死亡数が増加してきていますので、脱衣所が冷えすぎないような暖房設備などの工夫が必要ですね。

正しい入浴法を守れば「癒しの健康入浴」に!

いかがでしょうか。入浴中の死亡原因としては居眠りによる溺死以外では、ほとんどが血圧の急激な変化によるものです。

特に高齢者に多いうたた寝による溺死や冬場のヒートショックでの死亡数が年々増加していますが、実は若い人にも危険な場面も多いのです。

一日の疲れをいやす入浴によって悲しい結末にならないように、特に高齢者には家族からの声掛けなども行って不慮の事故を防ぎましょう。




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